メディカルアドバイス

メディカルアドバイスとして本サイト上に掲載されている内容に関しまして、あくまでも一般的なアドバイスとして参考にされ、耳(みみ)・鼻(はな)・喉(のど)に異常がある際には、ご自分で判断せずお近くの耳鼻咽喉科での受診をお薦め致します。


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いびき

かつていびきは健康の証とか、大いびきを豪快ないびきと呼んだように、周囲に迷惑はかけるものの病的なものとはみなされていなかったようです。時に、「いびきのために離婚されるのでは」とか、「いびきのために旅行にいけない」などの悩みをもつ方が専門医を訪れるにすぎませんでした。しかし最近の研究では、いびき【特に常習的な大いびき】は決して健康の証でもなければ、正常な睡眠呼吸でもないことが分かってきました。何かの病気の隠れたサインかもしれないし、高血圧を引き起こしたり、近頃話題の睡眠時無呼吸症候群が潜んでいるかもしれず、更には突然死を引き起こすかもしれないからです。

いびき


◆では、いびきとは一体なんでしょうか?どのようにして起きるのでしょうか?

それは私達が眠っている時、呼吸に伴って上気道(鼻入口部から喉頭まで)から発生する呼吸雑音のことだといわれています。 睡眠中、上気道に関係のある筋肉は全て緩んだ状態で、軟口蓋、舌、口蓋垂(のどちんこ、小べろ)も緩んで下がった状態になっています。このため気道は大変狭くなり、呼吸気流と気道壁との間に生ずる摩擦音、或は気道壁の振動音が【いびき】となるわけです。またこれらの音は鼻呼吸よりも口呼吸のときにより一層大きくなります。 つまり睡眠中はいびきをかきやすい状態になっていて、これに様々な要因が加わると更に大きないびきになるわけです。

どのようにして起きるのでしょうか?


◆いびきを大きくする要因

鼻・のどの病気のほかに全身の病気、生活環境なども関わってきます。主なものに次のようなものがあります。


鼻・のどの病気

鼻炎(びえん)・副鼻腔炎(ふくびくうえん)・鼻茸(はなたけ)、鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)、アデノイド、扁桃肥大(へんとうひだい)、咽頭炎(いんとうえん)、喉頭炎(こうとうえん)、口腔炎(こうくうえん)など。

全身の病気

肥満症(ひまんしょう)、麻痺性疾患(まひせいしっかん)、脳血管障害(のうけっかんしょうがい)など。

生活環境・その他

温度・湿度、ベッド、枕の位置、疲労、飲酒、ストレス、薬剤、老人など。

いびきを大きくする要因


◆睡眠時無呼吸症候群とは?

あなたの隣で大いびきをかいて寝ていた人が急に静かになってホッとしたものの、今度は呼吸をしていないのでは?と不安を感じたことはありませんか。この状態を睡眠時無呼吸といいますが、短時間のものや、一晩に数回のものであれば病的なものとは言えません。しかし、7時間の睡眠中に10秒以上の呼吸をしていない状態が30回以上ある場合は【睡眠時無呼吸症候群】と言われ、要注意の状態なのです。この状態は、血液中の酸素の濃度を低下させ、炭酸ガスの濃度を上昇させ、ついには肺循環、体循環の高血圧をきたし最悪の場合には突然死をもたらすといわれています。また、夜熟睡できないため昼間居眠りをしやすく、仕事に差し支えたり、居眠り運転による自動車事故の心配も起きてきます。

いびき


◆いびきを予防するには?また治すためにはどうしたたら良いのでしょうか?
日常次のことに注意してみて下さい。

01.子供の頃より、いびきの癖をつけない。
02.口を開けて寝る癖をつけない。
03.あおむけに寝るといびきが出やすいので枕や布団を工夫して、寝る姿勢を変えてみる。
04.飲みすぎ、食べ過ぎを避ける。
05.太っている方は減量をこころがける。
06.家族でお互いにいびきに関心をもち、いびきをかいたら次の様な刺激を3ヶ月くらい試みてみる。

・急に電灯をつけるなど光による刺激。
・暖かい部屋なら、少し窓を開けたりして冷たい空気を入れる。
・名前を呼んでみるなど音による刺激。
・布団の上から軽く叩いてみる。

一度は専門医(耳鼻咽喉科)の診察を受けましょう。

治りにくい大きないびきが鼻やのどの病気による場合があります。これらの病気を早くみつけて治療することで、悩まされたいびきから開放されることも少なくありません。

いびきの予防方法


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